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絵本『スイミー』から感じとる個性と共生

【このブログは、つなサポ相談員として2022年8月13日に書いたものを再掲しています】


国語の教科書にも載っていた『スイミー』(作者:レオ・レオニ)

訳者は有名な谷川俊太郎さんです。


なんとなく記憶に残っている方も意外といらっしゃるのではないかと思われるお話ですが、覚えていらっしゃいますか?


このお話、ざっくりあらすじをご紹介すると、

海で暮らす魚たち。

みんな赤い色をしていて、その中で一匹だけ真っ黒な魚がいて、それがスイミー。

ある日、お腹を空かせた恐ろしいマグロが突っ込んできて、魚たちを飲み込んだしまったのだけれど、スイミーは泳ぐのが早くて1匹だけ逃げ延びました。

暗い海の底を1匹で泳いでいたスイミーは怖いし、寂しいしだったけれど、海には素晴らしいものがいっぱいあって面白いものを見るたびにスイミーは元気を取り戻していきました。

ある時、スイミーは岩陰に隠れる自分とそっくりの小さな赤い魚のきょうだいたちを見つけます。

一緒に遊ぼうと誘うけれど、小さな赤い魚たちは大きな魚に食べられるのを怖がって出てきません。

そこでスイミーは一生懸命考えて、みんな一緒に泳いで大きな魚のふりをすることを提案します。

そして、大きな魚のように泳げるようになったら、真っ黒な自分が目になるといいます。

ついには大きな魚のように泳ぐ小さな魚たちは、恐れていた大きな魚を追い出しました。

というようなお話です。


スイミーは最初は周りとは違う容姿でみんなと違うことにもしかしたら疎外感があったのかもしれません。

けれども、これまで知らなかったいろんな世界を見ることによって、みんなと違っていたことは実は自分の個性だったのだと思えるようになったのでしょう。

そして、自分自身のことを認められるようになると、自分で自分を生かす方法を思いつきやすくなるようです。

それが、自分の特徴を生かして自分にできることを考え出し、自分が黒い目になるということでした。


人と違っているように思えて、もしかしたら自分のコンプレックスとなっているようなことも、個性だと受け止めることができるようになったら、ずいぶんと見える世界が変わってくるのですね。


もうひとつここで気づかされることは、共生です。

スイミーは自分が何とかして難題を解決しようとしていません。

周りのみんなとそれぞれの良さを生かして共に生きていくために協力して解決をしようとしたのです。

だからこそ、大きな魚を追い出すことに成功しました。


私たちは、人の手を借りるということがあまりよくないというイメージを持ちやすかったり苦手意識があったりするようですが、1人で乗り越えることが難しいことは、ちょっと誰かの手を借りたり、だれかと協力することで大きな力が生まれてきます。

手を携えたら解決できるかもしれないという視点も持っておくといいのかもしれませんね。


絵本は、大人になって読み返してみると、新たな視点で気づきが多いなと思います。

文章だけでなく、絵からも感じ取れるなんて素敵ですよね♪

おすすめの絵本があったらぜひ教えてほしいなぁと思う相談員でした。



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